「長時間の運転後に首が痛くて回らない」原因とは？

長時間運転を続けると、肩がバッキバキになって首が回らない…なんて経験をしたことはないでしょうか。

運転中は前を見るために頭が前方に行き、ついつい首に負担がかかりがち。

痛みを抱えたまま運転を続けてしまうと、バックや巻き込み確認をするときに痛みが気になって、危険な運転に繋がってしまうかもしれません。

今回は「長時間の運転後に首が痛くて回らない原因」や「首と肩の痛みの解消法」をご紹介します。

「長時間の運転後、首と肩が痛む」原因となる筋肉とは？

頭と首は脊椎（せきつい）の頸椎（けいつい）部分・通称「背骨」と、何層もの筋肉によって支えられており、肩周辺は僧帽筋（そうぼうきん）や肩甲挙筋（けんこうきょきん）、菱形筋（りょうけいきん）など多くの筋肉が集まっています。

運転中は頭が前方に行きがちで、首後方の筋肉がずっと引っ張られている状態。

重たい頭を支えながら長時間同じ体勢を続けると、これら筋肉の緊張から血行不良が起こり、首神経の圧迫や筋肉に溜まる疲労物質で痛みが発生して、首が回らなくなる原因となります。

また、首は普段から大きな負担がかかっている部位。

成人の頭部重量は「体重のおよそ10％」と言われており、40㎏なら4㎏、60㎏なら6㎏ほど。

さらに首は前後左右と可動範囲も広いので、ただ立つだけでも首や肩には相当な負担がかかっていると言えます。

首と肩の痛みの解消法とは？

首や肩の痛みの解消法で、まず心掛けたいのが「正しい姿勢での運転」です。

• おへそ、みぞおち、頭のてっぺんが一直線のイメージ
• 頭が自然に首に乗っている感覚
• 真っすぐな姿勢を意識

顎は少し引き、目線は遠くに向けることがポイントです。

また、慣れない道を走っていたり、普段あまり運転していない場合は「走ること自体に緊張」して、自律神経である交感神経が優位になり、血管を収縮させて必要以上に筋肉をこわばらせていることがあります。

長時間の運転で疲れや痛みを感じたときは、無理をせず休憩を挟むことも効果的ですよ。

そして首や肩の凝りが辛いと感じたときは、蒸しタオルで首周辺を温めたり、ゆっくり湯船に浸かって血行を促進するのもおすすめ。

仕事中などすぐに痛みを和らげたいときは、痛み止めの貼付薬や内服薬を使うといいでしょう。

首と肩の筋肉を伸ばすストレッチ法

渋滞中や信号待ち・パーキングエリアなど、ちょっとした空き時間に行ってほしいのが適度なストレッチ。

首や肩の疲労を軽減するのはもちろん、眠気覚ましやリフレッシュの効果もあります。

肩の疲れを感じたときにおすすめのストレッチ

1. 足を肩幅に開く
2. 両手を背中で組む
3. 首を左右に傾け10秒ほどキープ

僧帽筋が適度に伸ばされ、背中のストレッチになります。

首と肩の疲労におすすめストレッチ

1. 脇を締め、肘を胸の前で曲げてファイティングポーズ
2. 肘を曲げたまま両サイドに腕を広げる
3. この動作を3～5回繰り返す

ゆっくりと息を吐きながら脇を締めて、観音開きのように腕を広げるのがポイント。

このストレッチは車の中でもできるので、信号待ちや渋滞中にぜひやってみてください。

首の筋肉がゆるむツボ

首周りの筋肉をゆるめることで緊張をほぐし、辛い首の痛さを軽減してくれるのがツボ押し。

ちょっとした時間にもできるので、ストレッチよりも手軽で取り入れやすいですよ。

ただし妊娠中の方はツボを押すと「子宮口を広げる」「お腹が張る」など体に刺激を与えてしまうので、控えるようにしてください。

【風池～ふうち～】

首後ろの生え際で一番窪んでいる場所が風池。

両手親指で痛気持ち良い程度に押してあげると、首や肩の不快感を取り除いてくれます。

【肩井～けんせい～】

頭を下げたときに首の付け根付近に出る骨と肩先の中間地点が肩井。

押さえたい肩と逆の手の中指を当て押すと、痛みを和らげてくれて気持ち良いです。

ツボを押すときは押し過ぎに注意し、ゆっくりと口から息を吐きながら押すと、気持ちもリラックスできておすすめですよ。

まとめ

痛みで首が回らなくなる原因は、運転中の姿勢や筋肉の緊張はもちろん、普段の姿勢の悪さが影響し、体に歪みが生じているケースもよくあります。

日常生活での猫背やパソコン・スマホによる目の酷使、慢性的な運動不足などにも気を付け、辛い肩こりや首の痛みを常態化させないよう注意するのも大切。

普段から意識的に体を動かして血行促進を促したり、冷たい飲みものや食べ物を控えて、体を冷やさない工夫を取り入れるのも効果的ですよ。

首や肩に痛みを感じたら、心身ともに頑張り過ぎているサイン。

体への負担が和らぐようストレッチやツボ押し・休憩を挟んで、体も心もリラックスさせてあげましょう。